賃貸の退去費用相場はいくら?間取り別の目安と費用を抑えるコツを徹底解説
賃貸物件から引っ越す際、誰もが気になるのが「退去費用」です。
長年暮らしてきた部屋を退去するにあたり、原状回復費用として敷金が差し引かれるのは一般的ですが、見積もりの内容を見て「思った以上に高い」と驚く方も少なくありません。
特に初めての一人暮らしや転勤などで賃貸を利用していた人にとって、退去費用の仕組みは不透明に感じられることもあるでしょう。
退去費用には、部屋の広さ、入居年数、部屋の使い方、契約条件などさまざまな要素が影響します。
また、国土交通省が定めるガイドラインに沿って算出されるべきものではありますが、実際には不動産会社や管理会社の判断により差が出ることもあるため、事前の知識がトラブル防止に役立ちます。
今回は、賃貸物件の退去費用の基本から、費用が高くなる要因、間取り別の相場、費用を抑えるためのコツまでを詳しくご紹介します。
予想外の出費や不当な請求を避けるためにも、ぜひ参考にしてください。
賃貸物件の退去費用とは?
退去費用とは、賃貸物件から引っ越す際に必要となる原状回復のための費用を指します。
一般的には、入居時に預けた敷金から必要経費を差し引いた金額が返還されるしくみになっており、クリーニング代や補修費用などがそこから充当されます。
ただし、契約内容によっては敷金が返ってこない、あるいは追加で請求されるケースもあるため注意が必要です。
法律上、借主には通常の使用による経年劣化についての修繕義務はなく、原状回復の範囲は「故意・過失・不注意による損傷」や「特別な清掃が必要な汚れ」などに限定されています。
たとえば家具の設置跡や日焼けによる壁紙の変色は経年劣化と見なされるため、費用を請求されることは本来ありません。
しかし、タバコのヤニによる黄ばみや油汚れ、ペットによる傷などは、借主負担とされることが多く、具体的な金額や負担割合は契約書やガイドラインに基づいて判断されます。
退去費用を巡るトラブルを避けるためには、契約時の取り決めと退去時の査定内容をしっかり確認することが何より重要です。
退去費用の相場を左右する要素
退去費用の相場は一律ではなく、さまざまな要素によって変動します。
最も大きく影響するのは「間取り」や「専有面積」です。広い部屋ほど清掃や修繕の面積が増えるため、当然費用も高くなる傾向にあります。
次に影響するのが「入居年数」です。長く住んでいた場合は自然な経年劣化と判断される部分が増え、借主の負担が軽くなることがあります。
さらに、「部屋の使い方」も大きな要因です。タバコやペット、日常的な掃除の有無などが退去後の部屋の状態に影響し、クリーニング費用や修繕費が高くなる要因になります。
たとえば壁紙の張り替えが必要なレベルの汚れや、フローリングの傷が多い場合は、通常の使用範囲を超えるとみなされ、借主に負担が課されることもあります。
また、契約内容も相場に影響します。
あらかじめ「退去時クリーニング費用は借主負担」などと明記されていれば、その分の費用は免れられません。
不明点がある場合は、契約書を確認するか、管理会社に事前に問い合わせると安心です。
【間取り別】賃貸物件の退去費用相場
1,1K
2,1LDK
3,2LDK
4,3LDK
1Kの場合
1Kのような単身向け物件では、退去費用の相場はおおよそ2万〜4万円程度です。
内訳としては、ルームクリーニング代が15,000〜25,000円、軽微な壁紙の張替えやフローリング補修が発生する場合はさらに費用が加算されます。
築年数が新しい物件ほど、原状回復の基準が厳しくなる傾向があります。
1LDKの場合
1LDKになると、清掃面積が広がる分、相場は4万〜6万円程度になります。
リビング・ダイニング・寝室の複数部屋の清掃や修繕が必要となるため、家具の配置跡やフローリングの傷などもチェック対象になります。ペット可物件では、追加費用が請求されることもあります。
2LDKの場合
2LDKでは退去費用の目安は6万〜9万円前後です。
家族での使用が多いため、水回り(キッチン・トイレ・浴室)の汚れや傷みが見られることが多く、クリーニングと一部補修が必要になるケースが増えます。
壁紙の一部張替えや床の補修がある場合は10万円を超えることもあります。
3LDKの場合
3LDKのようなファミリー向け物件では、退去費用は10万円以上になることも珍しくありません。
部屋数が多く、それぞれに清掃・修繕が必要なため、汚れや傷の箇所が多ければ費用も膨らみます。
さらに、長期間の居住や子ども・ペットがいた場合は、追加の修繕費用が発生することもあります。
賃貸物件の退去費用を抑えるポイント
次に、賃貸物件の退去費用を抑えるポイントについてご紹介します。
1,日頃のメンテナンスを心がける
2,入居時・退去時の写真をしっかり残す
①日頃のメンテナンスを心がける
退去費用を抑える最も効果的な方法は、日常的に室内を丁寧に使うことです。
こまめに掃除をする、壁や床に物をぶつけない、キッチンや浴室の水垢・カビを放置しないなど、小さな気配りが将来的な修繕費の差につながります。
特に水回りの汚れや床の傷は、長期放置することで補修が必要になり、結果的に費用がかさむ原因になります。
②入居時・退去時の写真をしっかり残す
入居時に室内の写真を撮影しておくことで、退去時にトラブルを避けるための証拠となります。
特に壁紙のシミや床の傷など、入居当初から存在していた劣化は、借主の責任ではないため、その証明ができれば余計な費用請求を防ぐことができます。
退去時も、掃除後に室内全体を撮影しておくことで、クリーニング後の状態を記録に残せます。
賃貸物件の引越しに関するご相談は、久和不動産へ
賃貸物件の退去費用は、「どれだけきれいに使ったか」「契約時の条件を守っているか」によって大きく左右されます。
間取り別の相場を知っておくことで、ある程度の費用感を事前に把握することができ、不安なく退去準備を進められるでしょう。
また、日頃のメンテナンスや入居時の記録を残しておくことは、余計な修繕費の請求を回避するためにも非常に有効です。
退去費用は避けられない支出ではありますが、正しい知識と準備によって必要最低限に抑えることが可能です。
これから引っ越しを検討している方、または退去を控えている方は、ぜひこの記事を参考にし、納得のいく退去手続きを進めてください。
久和不動産では、賃貸物件に関するご相談をいつでも受け付けています。
引越しに関わるお悩みはもちろん、それ以外の問題などに関しても、お気軽にお問い合わせください。