
【賃貸の火災保険】入らないとダメ?補償の中身と見直しのポイントを解説
賃貸の契約手続きを進めていると、「火災保険への加入をお願いします」と案内されることがよくあります。
「自分の家ではないのに、なぜ火災保険に入るの?」「言われるままに加入したけれど、何が補償されているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
11月9日から15日までは、東京消防庁の「秋の火災予防運動」の期間です。空気が乾燥し、暖房器具を使い始めるこの季節は、住まいの火の元と保険の中身を見直すよいタイミングです。
そこで今回は、世田谷区・渋谷区・杉並区・中野区で賃貸仲介・賃貸管理を行う久和不動産株式会社が、賃貸の火災保険の基本と見直しのポイントを解説します。
この記事では、次の内容についてお伝えします。
・賃貸の火災保険の位置づけと、主な3つの補償
・「もらい火」と「自分の失火」で異なる責任の考え方
・加入・更新・解約で気をつけたいポイントと、冬の火災予防
ぜひ最後までお読みください。
賃貸の火災保険とは?加入は義務なの?
火災保険への加入は、法律で義務づけられているものではありません。
ただし賃貸住宅では、賃貸借契約の条件として、入居者が火災保険に加入することを求められるのが一般的です。
この場合、保険に加入していないと契約の手続きが進められなかったり、契約期間中に保険が切れると契約上の取り決めに反してしまったりすることがあります。
建物そのものの火災保険は、多くの場合、大家さん(オーナー)が加入しています。入居者が加入するのは、主に「自分の家財」と「大家さんや他人への賠償」に備える保険です。
「建物の保険は大家さん、家財と賠償の保険は入居者」と覚えておくと、全体像がつかみやすくなります。
賃貸の火災保険の主な3つの補償
賃貸向けの火災保険は、一般的に次の3つの補償を組み合わせた内容になっています。
家財の補償
家具や家電、衣類など、入居者自身の持ち物が火災や水濡れなどで損害を受けたときに備える補償です。
補償の範囲は商品によって異なり、盗難や落雷などが含まれるものもあります。
保険金額は、持ち物を買い直すのにどのくらいかかるかを目安に設定します。一人暮らしと家族暮らしでは必要な金額が変わるため、契約時に家財の量をイメージしておくとよいでしょう。
借家人賠償責任の補償
入居者の不注意による火災や水濡れなどで借りている部屋に損害を与え、大家さんに対して賠償責任を負った場合に備える補償です。
賃貸の火災保険の中でも、特に大切な補償といわれています。理由は次の章で詳しくご紹介します。
個人賠償責任の補償
日常生活の中で、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして賠償責任を負った場合に備える補償です。
たとえば、洗濯機のホースが外れて階下の部屋を水浸しにしてしまったケースなどが考えられます。
自転車保険やクレジットカードの付帯保険などで、すでに同じような補償に入っていることもあります。重複がないか確認しておくと安心です。
なぜ必要?「もらい火」と「自分の失火」で異なる責任
火災の責任については、「失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)」という法律があります。
この法律により、失火した人に重大な過失がない場合、隣家など第三者への損害賠償責任は負わないとされています。
つまり、隣の部屋からの「もらい火」で自分の家財が燃えてしまっても、火元の人に賠償を求めるのは難しい場合が多いのです。自分の家財は、自分の保険で備える必要があります。
一方、自分の不注意で借りている部屋を焼損させてしまった場合は、事情が異なります。
入居者には、借りた部屋を適切に管理して退去時に返す義務があるため、大家さんに対しては、重大な過失がなくても契約上の責任(債務不履行責任)を問われることがあると考えられています。
このときに役立つのが、先ほどご紹介した借家人賠償責任の補償です。「自分の持ち物が少ないから保険はいらない」とは言い切れないのは、このためです。
加入・更新・解約で気をつけたいポイント
契約時は補償内容と保険金額を確認する
賃貸の火災保険は、不動産会社から案内された保険に加入する場合もあれば、条件を満たせば自分で選んだ保険に加入できる場合もあります。
どちらの場合も、借家人賠償責任の補償が含まれているか、保険金額が契約で求められている条件を満たしているかを確認しましょう。
自分で保険を選ぶときは、契約前に管理会社や不動産会社へ相談しておくとスムーズです。
更新を忘れないようにする
賃貸の火災保険は、2年など一定の期間ごとに更新が必要な商品が多くあります。
賃貸借契約の更新とは別に手続きが必要な場合もあるため、気づかないうちに保険が切れていた、ということがないよう、満期日を手帳やスマートフォンに記録しておくと安心です。
退去時は解約の手続きを確認する
引越しで退去しても、火災保険が自動的に終了するとは限りません。
保険会社や代理店への解約手続きが必要な場合があり、商品によっては未経過分の保険料が戻ることもあります。退去が決まったら、保険証券や加入時の書類を確認しておきましょう。
地震による火災は地震保険で備える
意外と知られていないのが、地震が原因の火災による損害は、火災保険では補償されないという点です。
地震による火災や倒壊などに備えるには、地震保険への加入が必要です。地震保険は火災保険とセットで加入する仕組みで、単独では加入できません。
家財の地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲内で、上限は1,000万円と定められています。
地震への備えが気になる方は、火災保険の契約内容とあわせて確認してみてください。
冬こそ見直したい、お部屋の火の元チェック
東京消防庁によると、令和7年に管内で発生した住宅火災は1,981件で、最近10年間で最も多くなりました。
出火原因の上位は、こんろ、たばこ、放火、ストーブの順で、ストーブによる火災92件のうち71件は電気ストーブによるものでした。
保険は万が一のときの備えですが、まずは火災を起こさないことが一番です。次のような点を日頃から意識しておきましょう。
・こんろを使っているときは、その場を離れない
・寝たばこをしない、吸い殻は水で確実に消す
・電気ストーブの近くに洗濯物や布団、カーテンなど燃えやすい物を置かない
・コンセントまわりのほこりをこまめに掃除する
・住宅用火災警報器が正常に作動するか、点検ボタンで確認する
住宅用火災警報器の点検方法が分からない場合や、作動に不安がある場合は、管理会社や大家さんに相談してみてください。
賃貸の火災保険のご相談は久和不動産へ
今回は、賃貸の火災保険の位置づけや主な補償、責任の考え方、加入・更新・解約のポイント、冬の火災予防についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
・賃貸の火災保険は法律上の義務ではないが、賃貸借契約の条件として加入を求められるのが一般的
・もらい火で家財が燃えても火元に賠償を求めにくいため家財の補償が、自分の失火に備えて借家人賠償責任の補償が大切
・更新忘れや退去時の解約手続き、地震保険の有無もあわせて確認しておく
久和不動産株式会社では、世田谷区・渋谷区・杉並区・中野区を中心に、賃貸仲介・賃貸管理を行っています。お部屋探しの際の火災保険の内容や、入居中の手続きについて分からないことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事が、安心して賃貸生活を送るための参考としてお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

