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賃貸の契約期間を正しく理解しよう|契約形態の違い・更新手続き・途中解約の注意点まで解説

賃貸物件を借りるときに必ず出てくる「契約期間」。


当たり前のように契約書に書かれていますが、その意味やルールについてきちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。


引越しや転勤など、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを選びたいと考えるなら、賃貸契約の仕組みを知っておくことがとても重要です。


賃貸契約の内容には、契約形態や更新・解約のルールが含まれており、契約期間を巡るトラブルも少なくありません。


「なぜ2年契約が多いのか?」「途中で引っ越したい場合はどうすればよいのか?」など、知っておきたいポイントがいくつもあります。


これらを理解しておくことで、無駄な費用や手間を避けることができ、賃貸生活をより快適に送ることができるようになります。


今回は、賃貸契約期間の基本から、契約形態の違い、2年契約の理由、更新・途中解約の方法まで、賃貸契約期間にまつわる疑問をわかりやすく解説します。


これから賃貸物件を探す方も、すでに入居中の方も、ぜひ参考にしてください。



賃貸物件の契約期間とは?


賃貸物件の契約期間とは、貸主と借主の間で締結する賃貸契約が有効となる期間のことを指します。


一般的には2年間で設定されていることが多いですが、契約内容によっては1年、3年、5年といった期間も存在します。


この期間中は、借主が契約条件に従って物件を使用する権利を持ち、貸主もこれを提供する義務を負うという関係が成立します。


契約期間中は、契約書に記載された家賃、敷金・礼金、更新料、解約予告期間などの条項が有効となります。


期間満了を迎えると、多くの場合は更新手続きを行って契約を継続するか、契約を終了して退去するかを選択することになります。


更新時には、更新料が発生したり、家賃が変更されるケースもあるため、契約満了日が近づいたら早めに管理会社や大家と確認することが大切です。


契約期間内であっても、借主の都合で途中解約することは可能ですが、解約予告期間(一般的には1ヶ月前)が必要であるなど、一定のルールが設けられています。


契約期間に関する規定は、後々のトラブル回避にもつながるため、契約前にしっかりと内容を理解しておくことが重要です。



普通借家契約と定期借家契約の違いとは?


賃貸契約には大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。


多くの物件で採用されているのが普通借家契約で、契約期間満了後も自動的に更新される、または借主が希望すれば原則として更新が認められる契約形態です。


借主の居住権が強く守られているのが特徴で、安定した居住を希望する人にとっては安心感があります。


一方で定期借家契約は、期間満了とともに契約が終了するという契約形態です。


たとえば、2年間の定期借家契約であれば、2年後には貸主の意思によって確実に退去を求められる可能性があります。


更新は原則として認められておらず、再契約が必要となります。


このような契約は、一定期間だけ住まわせたいと考える貸主や、社宅・短期利用を想定した物件で使われることが多くなっています。


定期借家契約の場合、借主の生活設計に影響を及ぼすこともあるため、契約時には契約期間や再契約の有無、更新不可であることなどを十分に確認しておく必要があります。


契約書や重要事項説明書に「定期借家契約」と明記されていることが法律で義務づけられているので、契約時の説明をしっかり受けることがトラブル防止につながります。



賃貸物件の契約期間で2年間が多いのはなぜ?


日本における賃貸物件の契約期間として「2年」が主流となっている背景には、法律・市場の慣習・契約更新手続きのバランスなど複数の理由が関係しています。


まず、民法上では賃貸借契約の期間について特に制限があるわけではありませんが、借地借家法において「1年以上の契約でなければ借主の保護が不十分になる」という趣旨があり、現実的には2年が最も使いやすい期間とされています。


また、不動産業界では「2年更新」という契約期間が標準となっているため、管理会社や貸主側にとっても手続きが効率的であり、物件の流動性を一定確保しやすくなります。


更新時には更新料が発生することも多く、貸主にとっても継続的な収益を得やすい仕組みです。


借主にとっても、住み始めたばかりで引っ越す予定がなければ、2年というスパンは無理のない期間として受け入れられています。


さらに、賃貸物件は転勤や進学、結婚などライフイベントの変化に合わせて借りられることが多く、2年という契約期間は長すぎず短すぎず、ライフプランとマッチしやすいのも理由の一つです。


もちろん物件によっては1年契約や3年契約もありますが、2年が最も多いのはこうした法律面と実務の折衷が取られている結果といえるでしょう。



賃貸物件の契約期間更新の手続き方法


次に、賃貸物件の契約期間更新の手続き方法についてご紹介します。


1,契約満了の通知を受け取る

2,更新意思を伝える

3,更新料や書類を提出する

4,新しい契約書に署名・捺印


①契約満了の通知を受け取る


契約期間の満了が近づくと、多くの場合、管理会社または大家から更新手続きに関する案内が届きます。


通知は契約満了日の1〜2か月前に郵送またはメールで送られるのが一般的です。


この通知には、更新の意思確認、更新料の金額、必要な書類などが記載されており、これをもとに手続きを進めていくことになります。


②更新意思を伝える


更新を希望する場合は、案内に従って「更新する」という意思表示を行います。


返送用のハガキやメール、電話などで手続きを進める方法があります。


反対に、契約を終了して退去を希望する場合も、このタイミングで意思表示が必要です。


退去の場合は解約予告期間(通常は1か月)があるため、計画的に動くことが重要です。


③更新料や書類を提出する


更新には更新料がかかる場合があり、その額は家賃の1か月分が相場です。


更新料の支払いと同時に、身分証のコピーや住民票の写し、収入証明書などの書類を求められることもあります。


特に入居者情報に変更があった場合(同居人追加や勤務先変更など)は、必ず正確な情報を申告しておくことが大切です。


④新しい契約書に署名・捺印


更新契約書が郵送または管理会社の店舗で渡されます。


内容をよく確認し、署名・捺印して返送または提出すれば、更新手続きは完了です。


契約内容に変更がある場合(家賃の値上げや契約条件の変更など)は、署名前によく確認し、納得がいかない場合は管理会社に問い合わせておきましょう。



賃貸契約期間内の途中解約方法


契約期間内であっても、引っ越しやライフスタイルの変化に伴って途中で賃貸契約を解約することは可能です。


ただし、自己都合による途中解約には「解約予告期間」が設けられており、一般的には1か月前までに管理会社や大家へ通知することが求められます。


この予告期間を過ぎての通知では、家賃1か月分を余分に支払うことになる可能性があります。


途中解約の流れとしては、まず契約書に記載された連絡方法で管理会社へ解約の意思を伝えます。


メールや専用のフォーム、電話など手段は物件によって異なります。


通知後は退去日が決まり、それに合わせて引っ越し作業や原状回復の準備を進めます。 


退去時には管理会社による立会いが行われ、室内の損傷や汚れが確認されます。通常使用による劣化は請求されませんが、故意・過失による損傷には修繕費が発生します。


敷金から差し引かれ、足りない場合は別途請求されることもあるため、事前に掃除や修繕の確認をしておくことがトラブル回避につながります。


なお、契約によっては短期解約違約金が設定されていることもあるため、契約書の内容をよく読み込んでおくことが大切です。


1年未満や2年未満の解約で家賃1〜2か月分の違約金が発生する物件も少なくないため、引っ越しを検討する際には必ず確認しておきましょう。



賃貸物件の引越しに関するご相談は、久和不動産へ


賃貸物件の契約期間については、「2年」という期間が一般的であること、そして契約の種類によって更新や解約のルールが異なることを理解しておくことが重要です。


また、途中解約する際には、予告期間や違約金の有無を確認した上で、計画的な退去準備を進めることが肝心です。


賃貸契約は、一度結べばその期間中は生活に直結する重要な取り決めです。


契約前・更新時・解約時、それぞれの場面で正しい知識を持ち、納得した上で判断することで、トラブルのない快適な賃貸生活を送ることができるでしょう。


久和不動産では、賃貸物件に関するご相談をいつでも受け付けています。


引越しに関わるお悩みはもちろん、それ以外の問題などに関しても、お気軽にお問い合わせください。